ドローンパーツの仕様を紐解きながら構成を再検討する。

今回は、自作ドローンの構成をパーツの仕様を確認しながら再検討します。

自作ドローンパーツの配線概略図

現在の配線概略図です。配線の詳細は省いてます。パーツの仕様の構成をメインに描いてみました。

リポバッテリーの仕様確認

購入したLipoバッテリーは、4cellsで1550mAhと95Cという記述があります。

1cellは、3.7Vなので4cellsで3.7V x 4 = 14.8Vの電圧になります。

1550(mAh)はバッテリーの容量を示す値になります。1000(mA)= 1(A)を表します。よって、1.55(Ah)は、1時間に1.55(A)の電流を1時間流せる容量を持っています。容量が大きいほど長持ちします。

95CのCはCapacity(キャパシティ)の頭文字です。(C)は、バッテリーの容量に対する放電電流値の比です。

キャパシティ(C)= 放電電流(A)/ 容量(Ah)

になります。バッテリーの放電特性を表す時に用いられます。

今回のバッテリーは、95Cで1.55Ahなので放電電流を計算すると

95(C) x 1.55(Ah) = 147.55(A)

となります。よって、最大147.55(A)の放電電流で放電することを意味します。

PDBの仕様確認

引用 : https://astrox.kr

今回使用するAstro-X PDB-XT60PBの電圧と電流仕様を確認します。

Input Voltage rageの項目が9V-21Vなのでバッテリーの14.8V以内で電圧は問題ないです。

ESC outputの項目を見ると、最大で35(A) x 4 = 140(A)まで行けそうですが1分間に10sec流す程度だと問題ないようです。通常飛行時は30(A) x 4 = 120(A)が理想ということになります。

ドローンをフルスロットルで動作させた時に、バッテリーが最大 147.55(A)で放電する可能性があるため、PDBの仕様の最大140(A)は少し不足気味かもしれません。実際には測定してみないとわかりません。あくまで卓上計算です。

解決方法としては、バッテリーの放電能力(C値)を落とすか、PDBを変更するか、フルスロットル時の回転数を落とすことを検討することにします。

ESCの仕様確認

引用:https://www.emaxmodel.com

ESCの仕様を確認します。BELHEI-S BULLET 35A ESCの場合は、通常で35(A) x 4 = 140(A)が理想、最大で40(A) x 4 = 160(A)の短時間なら良さそうです。

バッテリーの最大電流 147.55(A)よりも余裕があるので問題なさそうです。

プロペラの仕様確認

プロペラの仕様を確認します。プロペラに5×4.5×3という刻印があります。これは5inch、4.5pitch、3はプロペラ数を表します。一般には、インチとピッチをあわせて、5045と記述することもあります。

5inchは、プロペラのサイズ。4.5pitchはプロペラがネジのように1回転した時に進む距離になります。1inchは、25.4mmです。よって、プロペラのサイズは12.7cmでピッチは11.43cmになります。

サイズとピッチが大きければ、モーターの力が必要になります。小さければモーターの回転数が高いものが必要になります。

プロペラを選択する際は、ドローンのフレームに当たらないサイズとモーターの仕様と合わせて検討する必要があります。

モーターの仕様確認

引用 : https://www.emaxmodel.com

モーターは、EMAX RS2306 2750KVを使います。この2750KVは、1(V)あたり2750rpm回転するということを表しています。実際にはプロペラの重量、空気の抵抗もあるので回転数は仕様よりも低くなります。

この表の赤枠の部分は、モーターに3枚プロペラの5045を装着して16Vの電圧、35Aの電流を加えた時に、推力1309g、電力560w、効率2.34、回転数26420rpmを表しています。モーター自体は、電圧、電流ともに問題なさそうです。

使うバッテリーは、14.8Vです。この表よりは回転数は遅くなると推測できます。回転数を最大で24000rpm~25000rpmぐらいに調整すればPDBに流れる電流を抑えることができそうです。

構成の再検討

とりあえずパーツを購入していたのですが、再検討したことで仕様に合わない部分が明確になりました。解決策としては下記の3つを考えました。 他にも解決策はあるかもしれません。

  • バッテリーのC値の小さいものに変更する。
  • フルスロットル時のモータ回転数を調整できるなら低くする。
  • PDBの最大電流値に余裕のあるものに変更する。
    候補としては、MATEKSYS FCHUB-6SFCHUB-12Sになります。同じメーカーを選ぶことでケーブルの接続性も良くなるはずです。

どの解決策で行くかは、今後の事を含め考えます。

まとめ

ドローンパーツを購入する際は、バッテリーの仕様から考えて、フライトコントローラやPDBはメーカーを揃えたほうが接続性も良いことがわかりました。パーツを揃える検討材料の参考にしてみてください。

とりあえずやってみよう!